2021年7月28日(木)
2021年5月14日(金)
特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液による 新型コロナウイルス(武漢株, 変異2株(英国/ブラジル))の 99.99%以上不活化を確認
~ 大幸薬品、北里大学の共同研究成果 ~
大幸薬品株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:柴田高、以下、大幸薬品)は、特許長期濃度保持型
二酸化塩素ガス溶存液(*1)が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の武漢株及び変異 2 株(英国,ブラジル)を 99.99% 以上不活化することを学校法人北里研究所(研究代表者:北里大学大村智記念研究所感染制御研究センター セ ンター長 花木秀明)との共同研究成果として確認したことをお知らせします。
本実験では、大幸薬品の特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液(*1)(製造後 3 年経過の溶存液で二酸化 塩素濃度が 154ppm(*2) )に、試験微生物である SARS-CoV-2 各種 (武漢株, イギリス型変異株, ブラジル型変異 株) (*3)をそれぞれ加え、各所定時間(10 秒, 60 秒)作用させた後に、二酸化塩素を中和させた後、SARS-CoV-2 感 受性の培養細胞(TMPRSS2 発現 VeroE6 細胞(*4))に接種し、プラーク法(*5)を用いてウイルス感染価を算出しました(ウ イルス液:二酸化塩素ガス溶存液=1:19)。その結果、二酸化塩素ガス溶存液は 10 秒及び 60 秒の作用時間によ り、変異株を含む供試した全ての SARS-CoV-2 を 99.99%以上不活化できることが確認されました。
本供試したイギリス型変異株やブラジル型変異株は、感染・伝播性に影響があるとされる N501Y(*6)や抗原性に影 響を与える可能性がある E484K(*6)の変異(*7)が含まれている懸念される変異株 (Variant of Concern: VOC)でもあり、 現在、N501Y 変異を持つ新型コロナウイルスの感染が拡大しております(*7,8)。
既に別の研究で二酸化塩素が SARS-CoV-2 のスパイクたんぱく質に作用してヒトの ACE2 受容体との結合を阻害 することも解明(*9)されており、本試験により、新型コロナウイルスへの長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液の更なる有用性が実証されました。
《試験方法》 エッペンドルフチューブ(1.5 mL 容器)中の薬液 475 µL(二酸化塩素ガス溶存液又は蒸留水)にウイルス液 25 µL(0.8〜1.2×106 pfu/25 µL)を 加え作用(10 秒又は 60 秒)させる。本反応液 50 µL をとり、別のエッペンドルフチューブ(1.5 mL 容器)中の二酸化塩素中和液 450 µL に加えて薬剤を中和 後、細胞培養液(5.5 mL)に加え、それら 1mL ずつを TMPRSS2 発現 VeroE6 細胞に感作させ、プラーク法で評価を行った。
*1) 大幸薬品株式会社製 特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液 (特許第 5757975 号) (製造後 3 年経過の本溶存液)を使用。
*2) ppm の単位について: ppm(parts per million)は 100 万分の 1 という割合を表します。
液体では重量比(mg/L=ppm, 1L 水=1kg と近似)、気体では体積比を用います。本試験の ppm は水溶液での重量比を表します。
*3) 【試験微生物】 国立感染症研究所より分与された SARS-CoV-2(以下 3 株):
hCoV-19/Japan/TY-WK-521(従来株), hCoV-19/Japan/QHN001/2021(イギリス型変異株), hCoV-19/Japan/TY7-501/2021(ブラジル型変異株)
*4) 【使用細胞】 TMPRSS2 発現 VeroE6 細胞とは: 国立感染症研究所が開発した新型コロナウイルスを増殖・分離可能な細胞株。 本試験では、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB 細胞バンクから購入したものを使用。
*5) プラーク法とは:被験試験物中のウイルス感染価を測定する標準的手法の一つで、ウイルス感染細胞の形状変化(プラーク(白斑))の数から算出する。
*6) N501Y 変異: S タンパク質 501 番目のアミノ酸が N(アスパラギン酸)から Y(チロシン)に変化。従来株に比べ感染しやすい可能性があるとされる。
E484K 変異: S タンパク質 484 番目のアミノ酸が E(グルタミン酸)から K(リシン)に変化。従来株に比べ免疫やワクチン効果を低下の可能性があるとされる。
*7) 国立感染症研究所 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について(第 8 報)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10280-covid19-41.html
*8) 厚生労働省(新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000776469.pdf
*9) Inhibition of the Binding of Spike Protein of SARS-CoV-2 Coronavirus to Human Angiotensin-Converting Enzyme 2 by Chloride Dioxide, Annals of Pharmacology and Pharmaceutics, Volume5,Issue5,Article1195(2020)
*10) pfu は plaque forming unit の略。
〈お問合せ先〉 大幸薬品株式会社 人事総務・広報部 TEL:06-4391-1191 E-Mail:press@seirogan.co.jp